大都市地域におきましては、住民と行政との距離が大きいという指摘、こうした指摘を受けまして、この傾向がますます助長されるとの指摘もあるということで、個々の住民の意見を反映し、より多くの住民の行政への参画を促す
仕組みづくりが必要とのことでございます。
大都市制度に共通する課題でございますけれども、中核市、
特例市制度の創設など、これまでも権限の移譲に努めてきたところですけれども、都市の規模、能力に応じた一層の
事務権限の移譲を進めるべきとのことでございます。
指定都市制度についても付言がございまして、
指定都市の行政区の権限を強める方向で検討を進めると。その一方策としては、先ほど挙げております
地域自治組織を導入することを含めて、検討をこれからしていくとのことでございます。
それから、第3番目に
都道府県の
あり方としまして、近年の状況とその背景等々で整理されているところでございます。
背景としましては、
広域行政を効果的、効率的に推進できる体制がより一層強く求められているということと、それから、新たな役割を求める機運が、
機関委任事務制度が廃止される等によって高まっているということと、それから、
市町村を包括する
広域的地方公共団体としての
都道府県の役割が改めて問われているということで、今現状の背景としてとらえてございます。
21世紀における
都道府県の役割でございますけれども、
都市圏と
周辺地域との
交流促進、ネットワークの整備、
森林保全などの
環境面等、それから高度の
専門知識や技術を先導的に提供する局面において、引き続き
都道府県の役割は大きいとしてございます。
今後の機能でございますけれども、高度な
インフラの整備、それから
経済産業活動の
活性化、
雇用対策、国土の保全、環境の
保全等の機能をさらに充実しながら、
連絡調整機能につきましては、いわゆる補完行政的な事務については一般的に縮小しながら、
連絡調整事務を主に行っていくとの
考え方でございます。
それから、
都道府県、道州制についての
考え方についてでございますけれども、
都道府県については、今現行、法律以外で道府県の
合併等はできないことになっておりますが、より
都道府県の自主的な発意によって
合併等が促進されるように見直す必要があるのではとのことでございます。
それから道州制でございますが、この道州制につきましては、国の
出先機関ということではなくて、公選の首長と議会を擁する
地方公共団体を設ける制度が適当ではないかとの見解でございます。
それから、
経済活動広域化に対応した
インフラの
高度化、産業の
活性化をより効果的に行っていくという意義があるということで、
行政体制の根幹にかかわる問題がこの道州制の中にはあるということで、幅広く論議をして、国民的な
コンセンサスを得ていく必要があるということ、
コンセンサスの形成といったことも含めて、今後進めていく必要があるということでの報告でございます。
以上、2点についての報告を終わらせていただきます。
○
太田哲二 委員長 どうもありがとうございました。
それでは質疑に入りますが、質疑のある方、挙手願います。
◆
堀部やすし 委員 毎度質疑がないというわけにもいかないと思いますので、若干お伺いさせていただきます。
提案されました
教育改革特区について、少し伺います。
3次提案ということになりまして、11月にはまた第4次の提案を行うと、こういう状況になっているわけですが、大変厳しい状況が続いているようにも感じております。今回は、今までのものと違いまして、新しい制度、
地方独立行政法人による
学校運営、経営の形を提案されたわけですけれども、
NPOなどによる
学校経営の形ではなくて、あえて
地方独立行政法人で提案をした理由を説明してください。
◎
庶務課長 地方独立行政法人を選んだ理由でございますが、まず1つは、学校の運営が安定的に行えること、それから、私立学校的な民間的な手法、これも取り入れて運営が可能になるということ、そういったことで、今回は
独立行政法人ということで、純粋の
民間企業ということではなくて、そういう法人が予定されているという段階だったものですから、そういった形で提案をさせてもらいました。
◆
堀部やすし 委員 ただ、この
地方独立行政法人法は、この夏にできたばかりという現状があり、またその成立のときに、あえて小学校、中学校については対象にしないような形で国会を通過したばかりというか、こういう状況にあるわけで、法律ができたばかりですぐに特例を認めてくれと言っても、なかなか国もうんと言いにくいというふうに思うわけですね。区の理想はわかるんですが、現実的に特例を認めてもらうということを考えたときには、この
地方独立行政法人という形をとるのではなくて、例えば
NPO等の運営、これは一部穴があいたわけですけれども、こちらの方がより現実味はあったのではないかと思うわけですが、そのあたりはいかがでしょうか。
◎
庶務課長 1次、2次という形で提案してまいりまして、実際、運営主体をどうするかというのはいろいろな議論があったところでございます。そうした中で、今委員おっしゃったように、国の方でそういった
地方独立行政法人という運営形態を考えている、設置を考えているという話がありました。これは大学の方で同じような動きがあったと。
そういう中で、私どもとしては、確かにおっしゃるとおり、設置そのものにつきましては、株式会社、
NPO等、特定の分野に限られている部分はありますけれども、認められてまいりましたけれども、この特区提案をさらに進めて実現するという中では、こういった新しい動きに沿って、しかも区が公的にかなり関与して、先ほど文科省の回答の中で、実現できない理由の中に、
教育委員会制度との
整合性とかそういったものが出てまいりましたから、そういった仕組みもかなりうまく機能させることができるという中で、
独立行政法人を選んだものでございます。
◆
堀部やすし 委員 ところが、国の方は、この
地方独立行政法人の形を採用すると、既存の教育委員会との
整合性について少し問題があるんじゃないかというような回答をしてきているわけです。これはかなり重い問題のような気がしてまして、一応、
教育行政は教育委員会が責任を持って行うと。特に義務教育課程ですから、非常に教育委員会の影響力が大きいわけですが、当然これは
独立行政法人の運営ということになってくると、やはり、ほかの公立と同じような形では
整合性をとっていくことは難しいというふうに文部科学省が考えるのも自然な気がするんですね。で、この
地方独立行政法人の運営形態にこだわって提案をし続けても、現実的にはなかなか特例が認められないというふうに、現状では考えざるを得ないというふうに思うわけですね。もちろん区には理想があり、その理想もよくわかりますし、それがそのとおりに認められた方がいいのはわかり切っているわけですが、現実とのせめぎ合いというか、このあたりはどういうふうにお考えでしょう。
◎
庶務課長 文部科学省が、今回の第3次提案を受けまして、少なくとも
幼稚園と
高等学校については年内に、ここにも記載してございますが、方向を出すということで、1つ風穴があいたというふうに私ども思っています。
それから、これまでの文部科学省の
考え方の
公設民営というのは、例えば、区が施設をつくり、あるいは施設を提供して学校法人が運営するというようなことを考えていました。そういったことについては、今回の提案の中で少し、さっき意見を出す機会もありましたので、文科省が考えているその
考え方というのをもう少し詳しく知らせてくれと。結果、回答はなかったんですが、そういう中では、今回の少なくとも回答の中で少し風穴があいて、そういった方向が出てきたのかなと私ども思っております。
そういう中で、先ほど申しましたとおり、今回第3次提案をした段階では、まだ法律ができない中で私ども提案してございますから、今度7月に
独立行政法人についてその内容が明らかになりましたから、今後提案するときには、その辺で、それと私どもが考えているものとすり合わせながら、
独立行政法人法についても
規制緩和というようなことも考えての提案をしていくということで、委員おっしゃるとおり、余り1つにこだわってどうこうという話は確かにあるかもしれませんが、現段階では私どもは、第3次提案をもう少し具体化するといいますか、今までは構想的な部分だったわけですから、もうちょっと、カリキュラムとか
独立行政法人の運営体制とか、そういったものをもう少ししっかり詰めて、具体性を持って少し提案をしていきたい、こういうふうに考えております。
◆
堀部やすし 委員 よく言われることなんですが、杉並区のこの構想は一体、では、どんな学校をつくりたいんだというのがよくわからないというようなご意見をいただくことがありまして、第4次提案では、やはりそこは大変重要な部分だと思いますし、どうしても
地方独立行政法人でなければというのであれば、その部分が非常に大事だというふうには思います。
ただ、現実に言うと、なかなかすぐには認めてもらえない可能性が高い。むしろ、高校と
幼稚園については風穴が多少あきそうなムードになってきた。そうすると、ひょっとすると、
NPO法人などの運営する学校、今のところは、例えば不登校児を対象とするようなものしか認められていないわけですが、もう少しここが拡大をされて、そして受け入れられる可能性というのは出てきたのではないかなというふうな気も、まあ今後の展開ですけれども、可能性はないかなというふうにも思わなくもないんですが、もし
地方独立行政法人の
管理運営はだめだということになっても、例えば
NPO法人等であれば、もう少し範囲を拡大して
学校運営は可能だというようなことになった場合は、区としては、その形でやるというような判断はあるのかないのか。
◎
庶務課長 現在、特区の流れの中で出てきました株式会社ですね、あるいは
NPOというのは、あくまで株式会社、あるいは
NPOの場合は少し範囲が特定されますけれども、不登校とか、そういったものが学校を運営できるということでして、私ども考えていますのは、今回こういった特区提案をいたしましたのは、あくまで公立の学校、やはり義務教育、公立の学校がよくなるということが一番の大きな前提でございますから、
公立学校として設置して、それをいろいろな形で、民間活力あるいは地域の参加、そういった中で運営をお願いして、運営をしてもらって、公教育全般を底上げといいますか、要するに杉並区の教育の向上を図るということでやっていますので、今回のこれから具体化して、取り組みの中で、基本的には取り組んでいきたいと思っておりますが、現段階でそれがだめだったらというところまでは、ちょっとここではお答えできないんですが、いずれにしても、そういった趣旨で進めてございますので、
NPO法人とか株式会社にも委託ができるという話での持ち方というのは、1つの方法としてはあろうかなというふうに思っております。
◆
堀部やすし 委員 どちらにしても、区が関与する以上、公立の学校の枠でやるわけですから、たまたま
管理運営を
地方独立行政法人にゆだねるのか、あるいは教育委員会の指導のもとで
NPO法人等にゆだねるのかの違いだけだと思いますので、国の特例がどこまで認められるか非常に険しい中で、より可能性を目指して検討を進めていくべきだというふうに考えます。
それから、これは一般質問でも多少伺いましたけれども、焦点となっております
授業料の徴収についてなんですけれども、ちょっと改めて、
授業料を集めるんだというふうに、あえてこう打ち上げた理由というのは何だったのか。文部科学省がこんなふうに回答してくるのはもう見えていたというか、文部科学省がこのように回答してくるのがわかっていながらも、あえてこういう形で提案をしたその本意というか、そのあたりをお聞かせいただきたい。
◎
庶務課長 憲法の規定とか教育基本法、学校教育法、
公立学校については
授業料は徴収できないということが確かに定めてございます。ただ、私どもが提案していますのは、あくまで、何といいますか、スタンダードといいますか、そういった義務教育全般として保障しなければいけない部分、ここで
授業料を取るということではなくて、新しい
タイプの学校では、それに加えて補講だとかいろいろ、あるいはプラスの授業といいますか、そういった部分で教育ニーズにこたえていきたいということで考え、その部分については可能だろうということで提案しているものでございます。これは逆に言えば、例えば、こういった言い方をしては教育委員会としていかがなものかというのはありますけれども、私立と公立を考えた場合、私立のそういった教育ニーズのところに行きたいんだけれども、そういった、何というか、費用負担の面で少し難しいというような部分につきましても、非常に、低額という言い方がいいかどうかわかりませんが、そんな大きな金額を取るという考えはありませんので、そういった辺のニーズにもこたえていけるかなということで、あくまで基本原則に真っ向から勝負しようということではなくて、そういった部分、上乗せした部分といいますか、付加する部分については可能であろうということで提案したものでございます。
◆
堀部やすし 委員 趣旨はよくわかりますし、そういう
あり方はあってしかるべきだと私も思うんですね。思うし、それは私立に行けない子どもにすれば、公立で多少上乗せ教育を、非常にリーズナブルな料金でやれるというのであれば非常に魅力があるわけですし、経済的な事情で私立には行けないけれども公立に期待が持てるということであれば、大いに推進すべきだとは思うんですね。だけども、それを
授業料だと言ってしまうことについては、かえって逆なでしてしまうというか、そういう懸念があるし、現実にそうなっているような気がするわけですね。
で、区の提案の中で、ちょっとここには書いてありませんが、この
授業料を集める趣旨の中に、例えばIT機器の整備だとか、あるいは課外授業の中の
超過勤務手当のようなものなんかを含むというような感じの記述になっていたかと思うんですが、例えばそのIT機器は、正規の授業の時間の中でも当然活用され、使用され得るものになると思うんですよね。そうすると、正規の授業の中で使っているものを、何か別途
授業料の形で徴収しているんじゃないかという疑いをかけられてしまうと、やっぱり文部科学省は認めっこないと思うんですよね、どうしてもそういうものについては。だから、
授業料ではなくて、あくまで特別に受益者負担をお願いするというか、特別に教材を使えば、それは教材費のようなものは負担として正当にいただくことは可能なわけですから、何か、こういう言い方はやはり語弊もあるかもしれませんが、別の名目をつくらないと、やっぱり何か疑われて、ちょっと憲法問題にもされてしまうと、非常に立場が弱くなってしまう、こんなふうに思うわけですが、いかがでしょう。
◎
庶務課長 おっしゃるとおり、先ほど申しましたけれども、今後引き続きこの取り組みを進める場合、具体的にその辺を詰めて、どういった表現がいいかということも含めて考えていく余地はあるだろうというふうには思います。具体的に言えば、現在の公教育の中でも、移動教室とかそういったところでは一定の負担をいただいているわけですから、その辺のところは、今後の具体化の中では、委員の指摘も踏まえてよく検討してみたいと思います。
◆河野庄次郎 委員 最初の特区についての関係なんですけれども、我が区には関係はありませんけれども、市における助役の
収入役兼務ということで、この文章の中に規模の小さい市と書いてあるわけですけれども、この規模の小さい市というのは、人口的にはどのぐらい、あるいは財政的な面もあるかと思うんですが、ことを想定しているのか、もしわかればお聞かせいただきたいと思います。
◎
企画課長 今現在私ども聞いているところでは、10万ぐらいを想定しているということでございます。
◆河野庄次郎 委員 それと、今、堀部委員からもお話があった
独立行政法人というお話なんですけれども、この規制と特例の内容の中で、特に
授業料の徴収ができる、あるいはまた、教科書の選択がある程度自由、委譲ということですから、自由という表現が使えるかと思うんですけれども、それと寄附を求めることができると。これはまさに私立学校イコールというような感じを受けるわけですよね。片や
独立行政法人ということで、行政のかかわりも一部持つという
考え方ですけれども、杉並のこの提案を見ると、戦略的にはちょっと早まり過ぎたというか、もう少し
独立行政法人として提案すれば、今3つの話をさせていただきましたけれども、この内容の中で、もうちょっと後退させた部分を持ちながらやった方が、要するに認可がおりるというか、形にできたのかなとも思うわけですけれども、その点について戦略的にこれを変えていくという考えを、今後また11月ですか、に行われるということで、その点どう考えておられるのか。
それとあと、
学校設置者以外の学校の
管理運営、いわゆる
独立行政法人について
中央教育審議会で検討中ということ、それから教科書採択の問題についても、中教審で検討中ということが書いてあるわけですけれども、杉並区の見方として、この検討中が前向きな方向で検討されているのかどうか、どう受けとめているか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
◎
庶務課長 第1点目の
地方独立行政法人との関係でございますが、先ほどから繰り返していますように、今後、法律の内容がはっきりしましたので、具体的に申し上げますと、
地方独立行政法人でやる場合につきましては、出資は
地方公共団体に限られてございます。それから、3年から5年の中期目標を定めて運営をお願いする、あるいは、設立する際には議会の議決を得て定款を定めていくというような仕組みになっています。それから、そういった運営費についても
地方公共団体が負担することが可能ということになってございます。そういったことを踏まえまして、寄附あるいは
授業料の
あり方というようなこともどうやっていくかということは、少し考えていかなきゃいけないだろうというふうに思っています。
それから教科書採択の話なんですが、教科書については1学年1種類の教科書、各教科ということになりますが、そういったものについて、先ほどから繰り返していますが、スタンダードのところは変えないで、もう少しそれぞれの学校というか、今度つくる学校の特色に合わせてできるようにということですから、そういった
考え方が一定ございますので、そういったものを踏まえながら、はっきりした法律との関係で一定の整理をして、もう少し具体的なものと、それから多少、さっきから繰り返していますが、
授業料がいいかどうかみたいな戦略的なことも考えながら提案をしていきたいと思っています。
それから、文科省の姿勢でございますが、現実に省庁回答が出ますと、
特区推進室の方から意見を提案者に求めてきます。その中で、私どもはっきり、そういった議論をしていることは承知しているんですけれども、いつ結論が得られるのか、それから、今時点で文科省はどう考えているのかという質問をさせていただいているのですが、ご回答はちょっといただいていません。これまでの動きからすると、こういったことを私述べていいかどうかわかりませんが、先ほどとちょっと矛盾するかもしれませんが、
幼稚園と
高等学校というのは義務教育ではございません。小中というのは義務教育になりますので、ちょっと重みが違うだろうと思っていますので、まだ少し、こういった特区への取り組みという意味では、足はゆっくりかなというふうに思っております。
◆河野庄次郎 委員 それと、杉並区の提案の中で、
特区構想の内容の中で、
地域住民がより積極的に
学校運営に関与することが可能となると。
地域住民という言葉を使っているわけですけれども、これはよく地域の、例えば町会・自治会で
地域住民という使い方、あるいはまた杉並区が
地域住民という言葉を使う場合、それぞれ多少その対象が異なっていると思うんですね。そういうことで、この提案の中の「
地域住民がより積極的に」ということは、いわゆる個人というよりも、組織の中のいわゆる個人という形で考えられるのかどうか、この
地域住民の
考え方についてお聞かせいただければありがたいと思います。
◎
庶務課長 教育委員会といたしましては、これまで、学校評議員会とかそういったものとか、いろんな形で地域参加、あるいはその地域の評価を得て
学校運営を進めるということを勧めてございます。そういった中で、この提案の段階では、まだ特区がはっきりしていませんでしたので、理事会というようなことの中に、そういったものも考えてやっていくというようなことで考えています。
確かに、これからもう少し具体的に詰めるときには、例えば、大学で言うような学長権限と理事長権限というようなところの整理とか、いろいろな問題が出てくると思っているんですね。それから、現在の
独立行政法人の中では、理事長は
地方公共団体の長が任命して、理事それから職員は理事長が任命するという仕組みですので、理事会という組織がございません。これが、教育課程も含めて決定権とか関与権はどう持つのか、評議員会的なものになっていくのか
執行機関になっていくのか、そういったこともこれから詰めていかないといけないだろうと思っています。
いずれにしても、これまで進めてきた教育委員会の行政の仕組みの中では、地域参加というのは1つの大きな視点でございますので、単なる参加的なものになっていくのか、どこまで関与可能な権限を持った形で地域参加が可能かということも、これから特区が具体的に認められるという状況になれば、詰めていかなきゃいけない。少なくとも今度の提案では、もう少し今までよりは詰めていきたい。その中で、今委員がご指摘のことも含めて、ちょっと検討していきたいと思います。
◆河野庄次郎 委員 あと2点お尋ねしたいんですけれども、今回1次、2次にわたって杉並区は教育関係についての提案をしたわけですけれども、ほかに他の自治体を見ても、
行政改革あるいは福祉分野とかまちづくりとか国際交流だとか、いろいろ提案事項が分類されているわけですけれども、教育関係1本で今後とも絞っていくのか、それとも提案をもっと幅を広げて、ウイングを広げて提案をしていくという
考え方はないのかどうか、その点いかがですか。
◎
企画課長 実は教育以外で、1次提案の際には、久我山駅の南口広場の整備ということで提案をさせていただいてございます。これにつきましては、南口の方に神田川が流れてございますので、神田川をちょっと暗渠の状態、ふさぐ状態にして、その空間をまちづくりに利用していくという案でございましたけれども、これにつきましては、今の現行法の中でも対応できるという国の
考え方もございますので、この特区には組み込まれなかったんですが、その
考え方は今の法制度でもできるというふうな回答をいただいております。
これからのこうした特区に対する取り組みですけれども、今現在それぞれ6部の中で状況を見ながら進めているところでございますけれども、それぞれ、所管するところの問題等々をまた掘り下げていただきながら、情報の共有化をより積極的に図りながら対応してまいりたいというふうに考えております。
◆河野庄次郎 委員 それでは最後に、27次
地方制度調査会の
中間報告の中で、先ほど説明があった
地域自治組織という言葉なんですけれども、これは
市町村合併ということで、地方においては3つ、4つの
市町村が合併することによって、面積的には広いけれども、非常に住民にとって空白地域ができるということで、こういう
考え方が出てきたのかなと私なりに理解したんですけれども、本区にとってこの
地域自治組織というものは、例えば、学校単位となると小学校だと44、中学だと23という形になるわけですけれども、この行政区的な
タイプと
特別地方公共団体的な
タイプと2つ書かれているわけですけれども、本区にこれを適用した場合、本区では行政区的な
タイプが選択できるのかなと。これは旧出張所の17出張所がありましたけれども、これを単位として組織するなら、こういう地域の自治組織が立ち上がるのかなと、ちょっと想像したんですけれども、この点については区として何か考えがもしあれば、お聞かせいただきたいと思います。
◎
企画課長 ここの例示につきましては、一般の自治体というか小さな自治体を考えれば、町とか市の中にそれほど小学校、中学校があるわけでございませんので、そういったことを念頭に、こうした例示が出ているものというふうに理解してございます。
ですから、委員がご指摘のように、杉並区で考えるならば17の出張所、または地域として7地域という形で分類等もしてございますので、そうしたことを念頭に置きながら、今後この
地域自治組織について、より具体的な
考え方が明示されてくるというふうに思ってございますので、それも参考にしながら、また、いわゆる区の中における分権の
あり方といいますか、そういったことについても検討すべきというふうな認識もございますので、そういったことをあわせながら、今後の課題として研究をしていく必要があるのかなというふうに考えてございます。
◆西村文孝 委員 関連があるので、ちょっとお尋ねをしておきますけれども、
構造改革特区の第3次提案ということで、先ほど1次、2次、3次という概略説明をいただきまして、杉並が想定をしている提案の学校ということについては、基本的には一定のところを想定をして考えてきたのではないかというふうに思うんですけれどもね。内容がだんだんと、特区に合格するために変えていくというような感じをちょっと受けるんですけれども、特区というふうに指定になると、さまざまな予算措置が受けられるからやろうというふうに感じるんですけれども、では、この新しい学校が何を目指しているのかということになると、学校の教育理念というものが、今の杉並区内にある小中学校でできない教育をこの全寮制の学校で行っていこうという特区を示しているのか、それでは、どういう人を育てようということで、ここの学校じゃなくてはできないということを考えているのか、まずその点についてお尋ねします。
◎
庶務課長 特区構想の内容の中で申し上げているのは2つに分かれますが、
小中一貫校の方につきましては、記載のとおり、基礎基本の確実な定着、それと、もう1つは、
児童生徒が自立していけるような資質、能力の向上を目指して
学習リテラシーの育成を図る、学び上手な子どもを育成するという理念のもとでやっています。単純に言いますと、例えば、無
学年スキル学習というようなところでは、9年間というスパンが出てくるわけですから、こういったところで基礎基本、例えば読み書き計算というふうなところを、どういう段階で、どんな形でやっていくか。1年からどんどん進んでいくという形ではなくて、着実にやるためにいろいろな工夫ができると思うんですね。そういったもので、そういった学び上手な子どもを育成するということを考えてございます。
それから、
全寮制学校の方なんですけれども、寮生活ということでございますので、しかも、今のところ第1次的には健康学園廃止後の施設活用ということを考えてございますので、そういったところで
自然体験を重視した全人格的な学びの場を創造するということでやってございます。
ただ、いずれにしても、先ほど来繰り返していますが、提案の段階でございまして、1次、2次、3次という形で、まだ構想的な部分だったんですね。この辺について、特に全寮制の方も含めて、もう少しこれから具体化して、今後の提案にしていきたい。その中で、特に小中の方については、検討委員会を設けてカリキュラム検討、あるいは今後は、小中一貫教育ということでは既に特区が認められてございます、研究開発学校で。そういった取り組みを進めていきたいというふうに考えております。
◆西村文孝 委員 そういたしますと、
小中一貫校教育というのは、先ほどある委員からも意見が出ていましたけれども、私立学校ではもう十分そういうことをやっているところがいっぱいあるわけですね。しかも全寮制というのもやっているところもいっぱいあるわけですので、なぜ杉並がこれをやらなきゃいけないのか。要するにどういう人を目指しているのか、簡単に言うとその目標ですよね。要するに東大に入りやすい人をつくろうとしているのか、それともそれぞれの工業社会で役に立つ人を目指しているのか、それとも上級公務員を目指す人を、合格しやすいようにつくるというのを目指しているのか、何を目指しているのかがよくわからないんですけどね。これは要するに、1つは建物が弓ヶ浜健康学園があって、今まで1人の人を年間900万ぐらい予算がかかるということでそれを廃止して、それで杉並区民であれば予算的にもそんなにかからない、その大変な1人当たりの経費がかかるというところから縮小という方針が出てきて、その余った施設を今度は教育特区で活用しようという発想というのはいいのかもしれませんけれども、やることが、今度は同じように、1人当たりの経費という面から見るとどのくらいかかっていくのか。それは国のお金が出るからいいんだといっても、税金であることには変わりないわけなんで、それなりの効果を目指すということになれば、小中の国立学校を杉並区の中に誘致したみたいな話になるのか。杉並区の予算が使われなければいいという話じゃないんじゃないか。何でここにこういう学校をつくらなきゃいけないかという特色がなければ、文部科学省も簡単に認めるということにはいかないんじゃないか。したがって、1次、2次、3次でだめだったから、それを修正して4次で出したというような、そういうものじゃないんじゃないか。基本的に何かちょっと違っているんじゃないかなと、こう思うんですけれども。
教育特区という以上は、全国で違うことを出さなければならないと思うんですよ。今この説明をいただいた中では、
小中一貫校9年のスパンでやるから、いろんなことができるんだと。それは既に全国でどこでもいろいろやっていることですから、改めて杉並が取り組む全国で初めての発信となるような話ではない。やる以上は、やはり日本全国で初めての教育的な何か特区として認められることがあって初めて、それならばということで認められることにつながっていくんじゃないかと思うんですけれども、今の発想の原点をもう1回見直す必要があるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょう。
◎
庶務課長 まず、小中一貫の方の話で申し上げますと、アクションプランを作成しまして、幼小から含めての連携教育ということをやっていくことが必要であろうということがあったわけです。そういった経過の中で、こういった特区が全国的に行われるという中で特区提案してきた。
その中で、1つは、今全国的にどうかというお話がありましたが、私どもとしては、先ほど来繰り返しているとおり、確かに教育の面で、もう少しわかりやすくということはこれから工夫しなければならない部分はあるかもしれませんが、先ほど言った内容のものは、私どもやっていきたいというふうに思っています。
それからもう1つ、この特区提案をしていく大きな視点というのが、先ほど来申し上げているとおり、
公立学校をどうしていくかということで、そういった
公設民営方式、これは全国的にもかなり今回の提案の中でも多く出てきまして、非常に大きな話題になっているわけですから、私どもとしては、こういった部分も含めて特区提案をする価値はあるだろうというふうに考えてございます。
それから全寮制の話でございますが、こちらにつきましては、確かに現在の西田小学校の、75条学級ということで、向こうの方へ健康学園を設けています。こういった中で、義務教育をしながら、自然に触れる中で健全な児童が育成された、そういった全寮を通じて積み重ねてきた教育の伝統みたいなところがあります。そういったものも含めて、健康学園そのものは役割は終わっていますけれども、その施設、今まで持ってきたもの、そういったものをどう活用していくかという中で、先ほどありましたエリート教育とかそういう話ではなくて、私どもとしては、自然、そういったものに触れた中で全人格的教育をするということで提案している。
繰り返しで申しわけないんですが、いずれにしても、これまではかなり構想的な要素でしたけれども、この辺については、今委員がおっしゃったようなところも含めて、もう少し、これから提案していくときには、こういうものだよというところについては、具体的なものをイメージできるような形のもので私どもとしてはやっていかなきゃいけない、そういったことを、今教育委員会内部では取り組みを進めているところでございます。
◆西村文孝 委員 そうしますと、1つは、健康学園というのは健康を害している人、また生活習慣を直していくという1つの目標がありましたけれども、今のお話ですと、この考えている学校というのは、小中一貫というのは、基礎基本の
学習リテラシーの育成を図り、ということがありますので、要するに一般のクラスではなかなか理解が同一ではない、そういう人たちについて、より細かく教えていこう、そういう方向を目指している学校を描いている、そういうふうなちょっと感じも受けるんですけれども、そういう方向なんですか。
◎
庶務課長 現在基本的な形で持っているのは、ここに記載のとおりで、あわせて少
人数教育ということを考えてございます。そういった中で基礎基本をしっかり定着を図る、あわせて、これからの社会人として自立していけるような資質、この辺をどういったものにしていくかということもこれから詰めなきゃいけないんですが、そういったものを目指しているということでございまして、これから、そういったことについてはもう少し具体化していくという内容の中で提案といいますか、今後の取り組みを進めていきたいというふうに思っております。
○
太田哲二 委員長 ほかに質疑がある方はいないようですので、報告事項についての質疑を終結いたします。
以上をもちまして本日の委員会を閉会といたします。
(午前11時08分 閉会)...